スネコス(肌育注射)とは何か

スネコス(SUNEKOS®)は、イタリアで開発された注入製剤です。「肌育注射」という名称で日本でも知られるようになった治療で、従来のヒアルロン酸注射とは根本的に異なるアプローチをとります。

通常のヒアルロン酸注射が「外からボリュームを足して溝を埋める」治療であるのに対し、スネコスは「皮膚の細胞自身にコラーゲン・エラスチンを作らせる」治療です。外から詰め物をするのではなく、肌を内側から育てる——これがスネコスを「肌育注射」と呼ぶ理由です。

スネコスの基本情報

開発国:イタリア/欧州安全基準「CE ClassⅢ」取得
主成分:非架橋の低分子ヒアルロン酸+6種のアミノ酸(国際特許取得の特許配合比)
作用:細胞外マトリックス(ECM)を再生し、線維芽細胞を刺激してコラーゲン・エラスチンの自力産生を促す
特徴:膨らまない・固まらない・自然な仕上がり

スネコスには主に「スネコス パフォルマ(Performa)」と「スネコス1200」の2種類があります。KYPROSでは患者さんの肌状態とお悩みに応じてどちらを使うか、または組み合わせるかを医師が判断します。

成分:非架橋ヒアルロン酸+6種のアミノ酸

非架橋ヒアルロン酸とは

スネコスに使われているヒアルロン酸は「非架橋(ひかっきょう)」タイプです。一般的なヒアルロン酸注射のように分子同士が化学的に結合されておらず、さらさらと水に近い質感です。

この特性によって、血管閉塞のリスクが極めて低く、膨らみすぎるボコつきも起きません。また、体内に存在するヒアルロン酸と構造が近いため、アレルギー反応も起こりにくいとされています。

6種のアミノ酸(特許配合比)

スネコスのもうひとつの主成分が、国際特許を取得した特別な比率で配合された6種のアミノ酸です。この配合比が「コラーゲンとエラスチンを同時に産生させる」ために最適化されていることが立証されています。

グリシン
コラーゲンの主要構成成分。皮膚の構造維持に必須

L-プロリン
コラーゲン・エラスチン合成の中心的役割

L-リジン
コラーゲン繊維の架橋形成を助ける

L-アラニン
細胞のエネルギー代謝・組織再生をサポート

L-バリン
組織修復・免疫機能サポート

L-ロイシン
タンパク質合成を促進し、皮膚細胞の再生を助ける

これらのアミノ酸は体内にもともと存在する物質です。化学合成物や架橋剤を一切含まないシンプルな成分構成であることが、安全性の高さにつながっています。

従来のヒアルロン酸注射とどう違うか

比較項目 スネコス(肌育注射) 従来のヒアルロン酸 ボトックス
作用の方向 自力産生を促す 外から補充・充填 筋肉を弛緩させる
コラーゲン産生 ✔ 促進
エラスチン産生 ✔ 促進
仕上がり 自然・ハリ感 ボリューム補填 表情が固まる場合あり
血管閉塞リスク 極めて低い △ 注意が必要 該当なし
全顔・広範囲への使用 ✔ 可能 △ 部位による △ 部位による
効果実感のタイミング 5〜10日後〜数週間 即日〜数日 3〜7日後
わかりやすく言うと:
ヒアルロン酸注射が「凹んだ道路にアスファルトを敷いて埋める」治療だとすれば、スネコスは「道路を作っている地盤ごと修復して、自分で新しいアスファルトを生み出せるようにする」治療です。即効性は低い代わりに、自分の肌の力を底上げできます。

こんな悩みに向いている

目元・目の下

スネコスが特に効果的とされるのが目元の小じわと青クマです。青クマは皮膚が薄くなって下の血管が透けて見えている状態です。スネコスは真皮を再構築して皮膚に厚みとハリをもたらすことで、血管が透けにくい状態に改善します。

小じわ・肌のくすみ・乾燥感

注入から5〜10日でコラーゲン・エラスチンの増加が始まり、1ヶ月ほどかけて肌のキメ・ハリ・ツヤが改善されていきます。「肌がなんとなく乾いた感じ」「化粧ノリが悪くなった」という方にも適しています。

ほうれい線・口周りの浅いシワ

深く刻まれた溝を埋めるには従来型ヒアルロン酸が必要ですが、浅い小じわや肌の張り感の低下には、スネコスが自然な仕上がりをもたらします。スネコス1200を深層に、パフォルマを浅層に打つ「2層打ち(クッションテクニック)」により、深いシワにも対応できます。

「膨らませたくない」「自然に若返りたい」方

ヒアルロン酸注射でよくある「顔がパンパンになった」「やりすぎた印象になった」という心配がありません。自分のコラーゲン・エラスチンを増やすため、仕上がりは非常に自然です。「美容医療をしているとバレたくない」方にも向いています。

特に向いている方まとめ:

・目元の小じわ・青クマが気になる
・肌のハリが全体的に落ちてきた
・ヒアルロン酸注射の「ボコつき」が怖い
・自然な仕上がりを求める
・アレルギーが心配で注入系に踏み出せなかった
・ポテンツァなどの機器治療と組み合わせたい

がん治療後・GLP-1後の肌にスネコスが使われる理由

がん治療後の肌変化とスネコス

抗がん剤・放射線・ホルモン療法は、真皮のコラーゲン・エラスチンに影響を及ぼします。肌が薄くなった、乾燥が止まらない、張り感がなくなった——こうした変化はがん治療後によく見られます。

スネコスの成分は体内に存在するアミノ酸とヒアルロン酸のみ。架橋剤などの化学物質を含まないため、免疫・アレルギーのリスクが非常に低く、がん治療後の敏感な肌にも使いやすい製剤です。

⚠ ご注意:治療中・治療直後の状態によっては施術をお勧めできない場合があります。現在の治療内容・直近の検査値・服薬状況を必ず医師にお伝えください。当院はがん薬物療法専門医が在籍しているため、治療経過を踏まえた上で安全に判断します。

GLP-1・マンジャロ後のたるみ肌とスネコス

GLP-1注射(マンジャロ等)による急激な体重変化で、真皮のコラーゲンが減少し「顔が老けた」と感じる方がいます。スネコスはこの真皮の再構築をターゲットにした製剤であるため、痩身後の肌質改善との相性が非常に良いです。

KYPROSはGLP-1の処方も行っているため、「痩身→肌のメンテナンス」を同院・同日で完結することができます。

効果の出方と治療スケジュール

スネコスは即効性よりも「育てる」治療です。1回で劇的な変化を求める方には向きませんが、回を重ねるごとに肌の土台が変わっていきます。

注入5日後〜
皮内のコラーゲン・エラスチン量が増加し始める(メーカー臨床研究より)。肌のしっとり感やハリ感を感じ始める方が多い。

1ヶ月後〜
コラーゲン・エラスチン合成が本格化。小じわの改善、ツヤ・キメの向上、肌弾力の改善が現れてくる。

4回終了後
1クール終了の目安。最大効果を実感できるのは最終施術から1〜2ヶ月後。

効果持続
個人差はあるが約9ヶ月程度。月1回のメンテナンスで効果を維持・蓄積できる。

推奨スケジュール(導入期)

1〜2週間に1回のペースで4回を1クールとして行います。定期的にコラーゲン・エラスチン産生のシグナルを与えることで、高い効果が引き出せます。ポテンツァ(ダイヤモンド+DDR)との同日施術も可能です。

施術の流れとダウンタイム

1

カウンセリング・診察(約15分)

肌状態の確認と、スネコス パフォルマ/スネコス1200/2層打ちのどの方針が適切かを医師が判断します。

2

表面麻酔(約20〜30分)

麻酔クリームを塗布して待機します。痛みに敏感な方は遠慮なくお申し出ください。

3

注入施術(約15〜30分)

気になる部位(目元・全顔など)に注入します。注射の細い針を使うため、チクっとした感覚があります。

4

冷却・アフターケア・終了

施術後の注意点(保湿・紫外線対策・飲酒制限)をご説明します。

ダウンタイムの目安

  • 注射部位の赤み・腫れ・熱感:数時間〜1日で改善することがほとんど
  • 目周りは数時間腫れる場合があります(個人差あり)
  • まれに内出血が生じることがありますが、時間とともに改善します
  • メイクは翌日から可能(当日は控えてください)
  • 施術当日の激しい運動・飲酒・長時間の入浴はお控えください

ポテンツァとの組み合わせ

KYPROSでは、スネコスとポテンツァ(ダイヤモンド+DDR)のコンビネーション施術を提供しています。

ポテンツァが「RF熱で真皮の線維芽細胞を機械的に活性化する」のに対し、スネコスは「アミノ酸とヒアルロン酸という栄養素で線維芽細胞を化学的に刺激する」アプローチです。この2つを組み合わせることで、コラーゲン・エラスチン産生の相乗効果が期待できます。

組み合わせのイメージ:

ポテンツァ(機器)=「畑を耕す」
スネコス(注射)=「栄養豊富な肥料を与える」

耕してから肥料を与えることで、コラーゲン産生の効率が高まります。同日に受けることも、交互に受けることも可能です。医師がスケジュールをご提案します。

また、がん治療中・治療後の方のCancer Refresh Beauty Programの一環として、スネコスを組み込むことも可能です。体の状態を確認しながら、安全なペースで進めます。

よくある質問

ヒアルロン酸注射と何が一番違うのですか?
最大の違いは「外から補充するか、自分で作るか」です。通常のヒアルロン酸注射は外からボリュームを足して溝を埋めますが、スネコスは自分の線維芽細胞を刺激してコラーゲン・エラスチンを自力産生させます。膨らまない・ボコつかないため、より自然な仕上がりになります。

1回だけ受けても効果はありますか?
1回でも肌のしっとり感やハリの改善を感じる方はいますが、最大効果を得るには1〜2週間おきに4回を1クールとして受けることを推奨しています。コラーゲン・エラスチン産生には一定の「シグナルの蓄積」が必要なためです。

痛みはどのくらいですか?
表面麻酔クリームを使用するため、チクっとした感覚は最小限に抑えられます。目元は特に皮膚が薄いため施術後に腫れることがありますが、数時間で落ち着く方がほとんどです。

乳がん・婦人科系がんのホルモン治療中でも受けられますか?
スネコスの成分(非架橋ヒアルロン酸・アミノ酸)はホルモン活性を持たない物質のため、ホルモン療法との直接的な相互作用はないとされています。ただし治療の種類・時期・体調によって判断が変わるため、カウンセリング時に現在の治療内容を医師にお伝えください。当院はがん薬物療法専門医が在籍しているため、安全に対応できます。

ポテンツァと同日に受けられますか?
はい、可能です。組み合わせる順番や施術の範囲については医師が判断します。同日施術を希望の場合はカウンセリング時にお申し出ください。

マンジャロ(GLP-1)の診察と同日に受けられますか?
はい、可能です。KYPROSではGLP-1処方も行っているため、痩身治療の診察と美肌治療を同日・同院でまとめて対応できます。

まずは無料カウンセリングへ

スネコス単独でも、ポテンツァとの組み合わせでも、あなたの肌状態に合ったプランを医師がご提案します。「どれが自分に合うかわからない」という方も歓迎です。広島市南区・宇品のKYPROSへお気軽にご相談ください。

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瀬尾卓司(Takuji Seo)
総合内科専門医・がん薬物療法専門医・家庭医療専門医

うじな家庭医療クリニック院長。国立がん研究センター中央病院での勤務を経て、2024年に広島市南区宇品に開院。がん治療後の肌ケア・痩身後のエイジングケアを含む、医師監修の美容医療をKYPROSにて提供。スネコスはがん治療後・GLP-1後の患者さんにも安心して選んでいただける製剤として導入しました。
監修:瀬尾卓司(総合内科専門医・がん薬物療法専門医・家庭医療専門医)